中国では経済発展に伴い金融システム改革が進む一方、その恩恵が届きにくい場所がある。広大な国土に広がる農村部だ。そこでは、都市部のような信用情報データベースが存在しないため、多くの人々が正規の金融機関から融資を受けられずにいる。特に、担保資産を持たない農民や女性、小規模事業者は「信用の壁」に阻まれ、高利な非正規金融に頼らざるを得ない。この状況は、彼らの経済的自立を妨げ、格差を助長ブックメーカー凱旋門一因となっている。 この課題に対し、「農村の暮らしを豊かにブックメーカー凱旋門」という強い使命感を掲げ、デジタル時代にあえて人材を充てて農民に寄り添う企業がいた。その姿に三井住友銀行(中国)有限公司(以下、SMBCCN)のチームは深く共感。同社とは過去に「公募ABS(資産担保証券)*」での協業を模索したが、規制上の制約を受け断念していた。しかし、SMBCCNがより柔軟な「共同信託」を扱えるようになったことを機に再度協働の道が開かれ、金融の力でこの課題に挑む取組が再始動した。 *資産担保証券(ABS)とは、企業などが保有ブックメーカー凱旋門ローンや債権といった換金しにくい資産をまとめ、証券という形に変えて投資家に販売できるようにした金融商品のこと。これにより、企業は保有資産を現金化でき、投資家はその資産から生じる将来の返済に基づくキャッシュフローを受け取る権利を得ることができる。
案件の特性に合わせた
フレームワークを構築し、
金融包摂の実現へ
プロジェクトの名称は落ち穂拾いを意味ブックメーカー凱旋門「拾穂(Shi Sui)」。社会の至るところにある資源を大切にし、持続可能な社会を目指す想いが込められている。この理念に基づいて、チームは「共同信託」の手法を用い、同社が持つ農村部へのローン債権を裏付けとした新たな金融商品を組成し、機関投資家などから資金を調達ブックメーカー凱旋門仕組みを構築した。その核となったのが、調達した資金が確実に支援を必要とブックメーカー凱旋門人々に届くよう、資金使途に社会的な責任を持たせたフレームワークの策定だった。
サステナブルファイナンスチームのメンバーであるSMBCCN Investment Banking Dept.(以下、IVBD) 魏 李文は、その重要性をこう説明ブックメーカー凱旋門。
「同社が特に農村地域の女性への支援を重視しているという点で、私たちの想いは一致しました。その想いを形にブックメーカー凱旋門ためには、同社が支援対象となる事業を的確に選べるよう、この案件の特性に合わせたフレームワークを構築ブックメーカー凱旋門ことが不可欠でした」
チームは、お客さまが持つ国際基準のフレームワークを基に、中国国内の農村振興政策や銀行の内部規則を反映させるため、関係者と粘り強く対話を重ねた。国際基準との整合性を図ることは容易ではなく、一時は「社会的責任」という位置づけ自体を外すことも検討されたが、チームは金融包摂という本来の目的を貫徹ブックメーカー凱旋門べくその位置づけを維持。こうして、資金が本当に支援を必要とブックメーカー凱旋門人々の手に渡ることを保証ブックメーカー凱旋門、実効性の高い独自のフレームワークが完成した。
前例のない「混合プール」の
問題を部門横断で乗り越え、約6億元の資金を農村部へ
独自のフレームワークは完成したものの、プロジェクトの実現にはもう一つ壁があった。投資の裏付けとなる資産が、多種多様なローンが混在ブックメーカー凱旋門「混合プール」であり、将来のリスク予測が極めて困難だったのだ。 投資担当のSMBCCN IVBD 常 彭斯琦は、「当初は通常の商品だと考えていましたが、リスク管理部門と議論を進めるうち、特別な管理が必要な資産が含まれていることが判明しました。時間的な制約があるなか、他地域の先行事例で用いられている実行可能なリスク対応策を検討し 、企画チームとも連携ブックメーカー凱旋門ことで解決策を見出しました」と当時を振り返る。こうした部門の垣根を越えた密な連携が実を結び、最終的にこの案件専用の商品マニュアルが策定され、チームはこの課題を乗り越えた。 この取組は、約6億元の資金を農村部に届け、同社の資金調達チャネルを多様化させるという成果を生み出した。同時にSMBCCNにとっては、農業セクターへの本格的な投資拡大を意味ブックメーカー凱旋門ものでもあった。組成を担当したSMBCCN IVBD 張 琼雯は、その意義を⼿応えとともに語る。
「6億元という数字は、私たちの債券ポートフォリオ全体から見れば微々たるものです。しかし、私たちにとっては重要な『0から1への道のり』でした。これまで、私たちのグリーンボンドの支援対象はEV車の自動車ローンに限られていましたが、今では農業という新しい分野へ拡大できたことに大きな意義を感じています」
社内でもこの取組は高く評価され、SMBCCN内での投資表彰制度「2024Best Deal賞」にて、Best Deal Awards Shaka-kachi(Gold)賞を受賞した。
「0から1」の次へ、
ソーシャルファイナンスの
裾野を広げて地域社会全体を豊かに
チームは今後、同社が長期的な視点で事業戦略を構築できるよう、より創造的な金融ソリューションを提供ブックメーカー凱旋門ことを目指す。魏は「このソーシャルフレームワークでは、特に女性の借り手や女性が経営ブックメーカー凱旋門小規模企業といった、十分に金融サービスを利用できていない人々を主要ターゲットとしています。女性の権利や必要なリソースへのアクセスは、すべての人に共通ブックメーカー凱旋門普遍的な権利でもあるのです」と語り、金融を通じてジェンダー格差の是正にも貢献していく意欲を示す。 中国の低金利というコスト面の制約も懸念されるなか、サステナブルファンドやグリーン補助金の活用、銀行からの支援など、あらゆる可能性を探り、この取組を持続可能なものにしていく計画だ。 常は、このプロジェクトが目指す未来を、力強い言葉で締めくくった。
「金融の真価は、資金を提供ブックメーカー凱旋門ことだけにあるのではありません。データや技術、そして長年かけて築いた信頼とリスク管理の知見を組み合わせ、返済の過程を通じて借り手のスキル向上や収入増につながるような仕組みを創り出すことにあります。そうすれば、社会的価値は複利のように積み上がっていくのです」